
ホームページが突然見られなくなる原因のうち、意外と多いのが契約の期限切れです。技術的な不具合ではなく、単に更新の手続きが漏れていた、というものです。
しかもこの種のトラブルは、「気づいたときにはすでに止まっている」という形で起こります。この記事では、期限切れを防ぐための管理の考え方を整理します。
ドメインとサーバーは別の契約です
まず押さえておきたいのが、この二つが別々の契約だという点です。
ドメインは、example.co.jp のような、インターネット上の住所にあたるものです。ホームページのアドレスにも、メールアドレスにも使われます。
サーバーは、ホームページのデータを置いておく場所です。住所に対する建物にあたります。
この二つを同じ会社で契約している場合もあれば、別々の会社で契約している場合もあります。さらに、通信を暗号化する仕組み(SSL)が別契約になっていることもあります。
同じ会社でまとめていれば管理は楽になりますが、経緯によって契約先が分かれているケースは珍しくありません。まずは、自社の契約がどうなっているかを確認しておく必要があります。
期限が切れると何が起きるか
契約の種類によって、影響の出方が変わります。
サーバーの契約が切れた場合、ホームページが見られなくなります。多くの場合、一定期間はデータが保管されており、支払いを済ませることで元に戻せます。ただし、その期間を過ぎるとデータが削除される可能性があります。
ドメインの契約が切れた場合、ホームページが見られなくなるだけでなく、そのドメインを使ったメールが送受信できなくなります。取引先からのメールが届かなくなるため、業務への影響はこちらのほうが大きくなります。
さらに、期限が切れてから一定期間が過ぎると、そのドメインは他の人が取得できる状態になります。長く使ってきたアドレスであれば、名刺や資料、取引先の登録情報にも記載されているはずです。取り戻せなくなった場合の影響は小さくありません。
SSLの期限が切れた場合、ホームページを開いた際に「保護されていない通信です」といった警告が表示されます。ページ自体は表示されますが、閲覧した方に不安を与えることになります。
期限切れが起こる原因
技術的な問題ではないぶん、原因は決まったところに集中します。
通知メールが届いていない
契約更新の案内は、登録したメールアドレス宛に届きます。ここが問題になりやすい部分です。
- 退職した担当者のアドレスのまま登録されている
- 制作を依頼した会社のアドレスで登録されており、契約が終わった後も変わっていない
- 個人のアドレスで登録されている
- 迷惑メールに振り分けられている
いずれも、案内は送られているのに誰も見ていない、という状態です。
クレジットカードの有効期限切れ
自動更新の設定をしていても、登録しているカードの有効期限が切れていれば決済されません。カードを更新した際、契約している各種サービスの登録変更が漏れる、というのはよくある流れです。
こちらも案内メールは届きますが、上記の理由で見られていないと、そのまま期限を迎えることになります。
担当者の交代で引き継がれていない
ホームページの管理を一人の担当者に任せていた場合、その方が異動や退職をした際に、契約の情報ごと分からなくなってしまうことがあります。
「どこと契約しているのか分からない」「ログイン情報が残っていない」という状態からの調査は、時間がかかります。
管理の一覧を作っておく
対策としてもっとも確実なのは、契約の情報を一覧にしておくことです。特別な仕組みは必要なく、表計算ソフトの一枚で十分です。次のような項目をまとめておきます。
- 契約の種類(ドメイン / サーバー / SSL など)
- 契約している会社名と、その連絡先
- 契約者名義
- 契約の期限
- 支払い方法(自動更新の有無、登録しているカードの種類)
- 更新案内の届くメールアドレス
- 管理画面のアドレスと、ログインに使うID
なお、パスワードはこの一覧に書かず、別の方法で管理してください。共有が必要な場合も、閲覧できる方を絞った形にしておくことをおすすめします。
この一覧を作る過程で、「実は契約先が分からない」「登録アドレスが古いままだった」といった問題が見つかることも多くあります。
あわせて見直しておきたい点
一覧を作ったら、次の点も確認しておくと安心です。
通知の届く先を、複数人が見られるアドレスにする。個人のアドレスではなく、複数人で確認できる窓口のアドレスにしておくと、担当者が不在でも気づけます。
自動更新の設定を確認する。設定していれば手続きの手間は減りますが、支払い方法が有効であることが前提です。年に一度は登録情報を見直してください。
カレンダーに期限を登録しておく。期限の1か月前に予定を入れておくと、通知メールを見落としても気づけます。
契約者名義を自社にしておく。制作を依頼した会社の名義になっている場合、後から移す手続きが必要になることがあります。契約の主体がどこにあるかは、確認しておきたい点です。
担当者が変わるときに
引き継ぎの際は、次の3点を伝えておけば、最低限の対応はできます。
- 契約の一覧(上記の表)がどこにあるか
- ログイン情報をどこで管理しているか
- 制作・保守を依頼している会社の連絡先
これらが引き継がれていれば、トラブルが起きたときも、まず誰に連絡すればよいかが分かります。
まとめ
ドメインとサーバーは別々の契約であり、それぞれ期限があります。特にドメインの期限切れは、ホームページだけでなくメールにも影響し、長引けばアドレスそのものを失う可能性もあります。
原因の多くは、通知メールが誰にも見られていない、支払い方法が古いまま、担当者が変わって情報が引き継がれていない、という管理上の問題です。契約の一覧を一枚作り、通知の届く先を複数人で確認できる形にしておくだけで、多くは防げます。まずは自社の契約がどうなっているかを、確認するところから始めてみてください。
