
ホームページを作っている間は、打ち合わせや原稿の準備で慌ただしく過ぎていきます。ところが公開を迎えると、そこから先は急に静かになります。
一方で、見積書や請求書には「保守費用」「運用サポート」といった項目が毎月あるいは毎年並びます。目に見える作業がないように感じられるため、「これは何に対する費用なのか」という疑問を持たれることも少なくありません。
この記事では、ホームページを公開した後に行われている作業の中身を整理してご紹介します。
「運用」と「保守」は役割が違う
まず、よく並べて使われるこの二つの言葉を分けて考えると、全体像がつかみやすくなります。
運用は、掲載している中身を新しくしていく作業です。お知らせの追加、施工事例の掲載、価格や営業時間の変更、写真の差し替えなどが当てはまります。
保守は、ホームページが正しく動き続けるための手当てです。土台となる仕組みの更新、データの控えを取ること、不具合が起きたときの対応などが含まれます。
車にたとえると、荷物を積み替えたり内装を整えたりするのが運用、車検やオイル交換にあたるのが保守です。中身をどれだけきれいに整えても、車そのものが動かなければ意味がありません。逆に、整備が行き届いていても、載せる荷物が古いままでは役に立ちません。両方が必要になります。
保守で行っている作業
保守の作業は、外から見えにくいものがほとんどです。代表的なものを挙げます。
土台となる仕組みの更新
多くのホームページは、文章や写真を管理画面から更新できる仕組みの上で動いています。この仕組みや、そこに追加した機能の部品は、作った側から定期的に更新が提供されます。
更新には、不具合の修正のほか、外部からの不正な操作を防ぐための修正が含まれます。放置していると弱点が残ったままになるため、必要に応じて当てていく作業が発生します。
データの控えを取る
更新の失敗や機器の不具合で、内容が消えたり表示が崩れたりすることがあります。そのときに元の状態へ戻せるよう、定期的にデータの控えを保管しておきます。
大切なのは、控えがあることだけでなく、そこから実際に戻せるかどうかです。保管の仕組みと、戻す手順の両方がそろって備えになります。
表示や動作の確認
パソコンやスマートフォンで使われる閲覧の仕組みは、少しずつ更新されていきます。その影響で、これまで問題なく表示されていた部分が崩れることがあります。
また、お問い合わせフォームから送られた内容が届かなくなる、という不具合も起こり得ます。送った側には送信できたように見えるため、気づかないまま時間が過ぎてしまう厄介な症状です。定期的に確認しておきたい部分です。
契約まわりの管理
ドメイン(インターネット上の住所にあたるもの)、サーバー、通信を暗号化する仕組みには、それぞれ契約期限があります。いずれかが切れると、ホームページが見えなくなったり、警告が表示されたりします。期限を把握し、更新を確実に行うことも保守の一部です。
手を入れないままにするとどうなるか
費用を抑えるため、公開後は何もしないという判断もあり得ます。その場合に起こりやすいことを挙げておきます。
まず、掲載内容が古いままになります。営業時間や価格、対応できる範囲が実態と違っていると、問い合わせの段階で行き違いが生じます。
次に、仕組みの弱点が残ったままになります。内容を書き換えられたり、知らないうちに迷惑メールの送信に使われたりする例があります。ご自身が気づく前に、閲覧した方や取引先から指摘を受けることもあります。
そして、久しぶりに手を入れようとしたときに、まとめて対応することになります。更新の間隔が長く空くと、一度に大きく変わるため不具合も起きやすく、結果として費用と時間がかかります。日ごろから少しずつ手を入れておくほうが、総額としては抑えられることが多いものです。
誰がどこまで担当するかを決めておく
運用と保守のすべてを外部に任せる必要はありません。「お知らせの追加は社内で行い、仕組みの更新と控えの保管は依頼する」といった分け方もできます。
契約の内容を確認する際は、次の点を見ておくと、後の行き違いを防げます。
- どこまでが月々の費用に含まれ、どこからが別の費用になるのか
- データの控えを取る頻度と、戻す作業が費用に含まれるか
- 連絡してから対応が始まるまでの目安の時間
- 定期的に行っている作業について、報告があるか
- 契約を終える場合に、データをどう引き渡してもらえるか
まとめ
ホームページの公開後には、中身を新しくする運用と、動き続けるための保守という二つの役割があります。保守の作業は表から見えにくいものが多いのですが、仕組みの更新、データの控え、表示の確認、契約の管理といった形で、日々の安心を支えています。
すべてを任せるか、一部を社内で担うかは、更新の頻度と社内の体制によって適した形が変わります。まずは現在の契約に何が含まれているかを確認するところから始めてみてください。
