
ホームページを作る際、「更新は自分たちでできるようにしたい」という要望はよく出てきます。実際、管理画面から文章や写真を変更できる仕組みが一般的になり、以前より社内で扱いやすくなりました。
一方で、そうして作ったホームページが、公開後まったく更新されないまま数年が過ぎている、という例も少なくありません。仕組みがあることと、更新が続くことは別の問題だからです。
この記事では、更新の体制を決めるための考え方を整理します。
まず、更新の中身を分けて考える
ひとくちに更新といっても、内容によって必要な手間も知識も違います。おおまかに分けると次のようになります。
頻度が高く、作業としては簡単なもの お知らせの追加、営業日の変更、写真の差し替え、価格の修正など。管理画面から文字を入れ替える程度の作業です。
頻度は低いが、専門的な知識が必要なもの ページの追加、レイアウトの変更、フォームの項目の変更、新しい機能の追加など。仕組みの側に手を入れる作業です。
定期的に必要で、専門的な知識が必要なもの 土台となる仕組みの更新、データの控えの管理、不具合への対応など。表からは見えにくい部分です。
一つ目は社内で行いやすく、三つ目は依頼したほうが確実です。二つ目は、社内の状況によって判断が分かれるところになります。
社内で更新する場合に必要なもの
社内で行う利点は、思い立ったときにすぐ反映できること、そのつどの費用がかからないことです。ただし、次のものが必要になります。
担当者の時間。もっとも見落とされやすい部分です。更新の作業そのものは短くても、原稿を考え、写真を選び、公開後に確認するまでを含めると、それなりの時間がかかります。他の業務と兼任の場合、後回しになりやすい作業です。
手順の記録。「どこを押せば新しいお知らせを追加できるか」を、文章や画面の写真で残しておきます。担当者が変わったときに、ここがあるかどうかで引き継ぎの負担が大きく変わります。
触ってよい範囲の取り決め。管理画面には、見た目や機能の設定に関わる項目も並んでいます。どこまで触ってよいかを決めておかないと、意図せず表示を崩してしまうことがあります。制作を担当した会社に、権限を分けて設定してもらう方法もあります。
元に戻せる備え。更新を失敗したときに戻せる状態にしておきます。データの控えがどこにあるか、誰に連絡すればよいかを確認しておいてください。
依頼する場合の進め方
依頼する利点は、内容の確認まで含めて任せられること、専門的な作業も同じ窓口で相談できることです。確認しておきたいのは次の点です。
費用の形。作業のつど見積もる形と、月額の中で一定量まで対応する形があります。更新の頻度が高いなら後者のほうが手続きが少なく済みます。頻度が低いなら前者が向いています。
依頼から反映までの時間。急ぎの変更が必要になる場面もあります。通常どのくらいで反映されるか、急ぎの場合はどう扱われるかを確認しておくと、社内での案内もしやすくなります。
伝え方の決まり。原稿をどの形式で渡すか、写真をどう送るか、誰が依頼するか。ここが決まっていないと、やり取りが増えて時間がかかります。
依頼する際は、変更したい箇所を画面の写真で示し、変更後の文章をそのまま書いて渡すのが確実です。「もう少し分かりやすく」といった伝え方は、行き違いのもとになります。
組み合わせるのが現実的です
どちらか一方を選ばなければならないわけではありません。実際には、次のように分けている場合が多くあります。
- お知らせや実績の追加は社内で行う
- ページの追加やレイアウトの変更は依頼する
- 仕組みの更新やデータの控えは依頼する
この形にすると、日々の細かな更新は自社のペースで進められ、専門的な部分は任せられます。社内の担当者にとっても、覚えることが限られるため負担が小さくなります。
どちらの場合でも決めておきたいこと
体制をどう決めるにせよ、次の点は先に決めておくと動きやすくなります。
誰が原稿を作るか。更新作業をする人と、内容を考える人は別のことがあります。ここが決まっていないと、「作業はできるが載せる内容がない」という状態になります。
公開前に誰が確認するか。特に価格や日程に関わる内容は、二人以上で確認する形にしておくと安心です。
どのくらいの頻度で更新するか。「毎週」と決めても続かないことがあります。無理のない頻度を決め、続けられるようであれば増やしていくほうが現実的です。
緊急時の連絡先。表示されなくなった、内容を間違えて公開してしまった、といった場面で、誰にどう連絡するかを決めておきます。
更新が止まってしまう主な理由
最後に、更新が続かなくなる原因として多いものを挙げておきます。
もっとも多いのは、担当者が決まっていないことです。「気づいた人が更新する」という形は、結果として誰も更新しない状態になりがちです。
次に、載せる内容が決まっていないことです。何を書けばよいか分からないまま、時間だけが過ぎていきます。日々の仕事の中から、掲載できる材料を集める習慣があると続きやすくなります。
そして、操作を忘れてしまうことです。数か月ぶりに管理画面を開くと、手順が思い出せない。ここで止まってしまう例は多く、手順の記録が役に立つ場面です。
まとめ
ホームページの更新体制は、更新の中身を「頻度が高く簡単なもの」「専門的な知識が必要なもの」に分けて考えると、判断がしやすくなります。日々の更新は社内で、専門的な部分と保守は依頼する、という組み合わせが現実的な形のひとつです。
大切なのは、担当者と更新の頻度、そして緊急時の連絡先を先に決めておくことです。仕組みを用意するだけでは更新は続きませんので、体制の側を無理のない形で整えておくことをおすすめします。
