
ホームページからの問い合わせを増やしたいと考えたとき、検索結果で上位に表示されるための取り組み、いわゆるSEO対策を外部に依頼するという選択肢が浮かびます。
その一方で、依頼したものの受け取るのは見出しやタグの修正指示ばかりで、費用に見合う変化を感じられなかった、という声を聞くこともあります。ここでは、そうしたずれがなぜ起きるのかを整理したうえで、依頼する前に確認しておきたい点をまとめます。
検索エンジンが見ているのは大きく三つ
はじめに、検索エンジンがホームページのどこを見ているのかを整理します。細かな仕組みは公開されていませんが、大きく分けると次の三つに整理できます。
一つ目は、技術的に正しく読み取れるかどうかです。ページの内容を機械が読み取りやすい形で書けているか、表示が遅すぎないか、スマートフォンで見たときに崩れていないか、といった点です。
二つ目は、内容が検索した人の知りたいことに答えているかどうかです。ある言葉で検索した人が何を知りたかったのかを考え、それに答える情報が書かれているかが問われます。
三つ目は、信頼できる発信元かどうかです。運営している会社の情報が明確か、他のホームページから紹介されているか、といった点が関係します。
いわゆるタグの修正は、このうち一つ目に含まれる作業です。全体の一部分であり、それだけで三つすべてが整うわけではない、という位置づけになります。
タグの修正はどのような作業なのか
ここでいうタグとは、ページの題名を示す部分や、文章の見出し、画像の説明文といった、ページの構造を示すための記述を指します。訪問者の画面には直接見えないものも含まれます。
これらを整える作業は、本にたとえるなら表紙の題名や目次を分かりやすく付け直すことに近いといえます。中身を探しやすくする大切な作業ですが、本文そのものが変わるわけではありません。
つまり、タグの修正は土台を整える作業であり、必要ではあるものの、それだけで検索結果が大きく動くことは多くありません。加えて、一度整えれば当面はそのまま使える性質の作業でもあります。毎月同じような修正指示が続く場合は、その内容が費用に見合っているかを確認したほうがよいでしょう。
修正指示が中心になりやすい背景
依頼先からの提案がタグの修正に寄りやすいのには、理由があります。
外部から作業できる範囲には限りがある、というのが大きな点です。ページに何を書くべきかは、その事業を実際に行っている方でなければ判断が難しく、お客様からよく受ける質問や現場での事情は社内にしかありません。結果として、外から手を付けやすいのは形式面の整理が中心になります。
また、修正指示は作業した内容を一覧で示しやすいという事情もあります。取り組みの成果を報告する必要がある中で、目に見える形にしやすいものが選ばれやすいという構造があります。
これは相手の姿勢の問題というより、どこまでを一緒に取り組むかを最初に決めていなかったことで起きるずれといえます。
依頼する前に確認しておきたい五つの点
こうしたずれを防ぐために、依頼を検討する段階で次の点を確認しておくことをおすすめします。
1. 何をもって成果とするか 検索順位を上げることなのか、ホームページへの訪問者を増やすことなのか、問い合わせの件数を増やすことなのかを、はじめに擦り合わせます。順位が上がっても問い合わせにつながらないことはありますし、その逆もあります。
2. 作業範囲はどこまでか 修正内容の提案までなのか、ホームページへの反映作業まで含むのかを確認します。提案のみの場合、実際の作業は自社で行うか、別途費用が必要になります。ここを曖昧にしたまま進めると、指示だけが積み上がる状態になりがちです。
3. 記事や本文の改善が含まれるか 含まれる場合、誰が書くのかを確認します。事業内容に踏み込んだ文章は、社内での確認や情報提供が欠かせません。自社側にどれくらいの手間が発生するかを見込んでおくと、進行が滞りにくくなります。
4. どのくらいの期間で判断するか 検索結果への反映には時間がかかります。数か月単位でどこまでを目指すのか、その時点で何を見て継続を判断するのかを決めておきます。
5. 報告の内容 順位の一覧だけでなく、どの言葉で検索して訪問があったか、そのうち問い合わせにつながったのはどれくらいか、といった情報まで共有されるかを確認します。次に何をすべきかを考える材料になります。
自社側で取り組めること
外部に依頼する場合でも、成果に近いところは自社が握っています。
たとえば、お客様からよく聞かれる質問とその答えをそのまま記事にすることは、専門知識を持つ立場だからこそできる取り組みです。実際に対応した事例を、差し支えのない範囲で紹介することも有効です。会社の所在地や連絡先、事業内容を分かりやすく掲載しておくことも、信頼できる発信元と判断される材料になります。
こうした部分が整っていれば、外部に依頼する範囲も絞りやすくなり、費用の掛け方も判断しやすくなります。
まとめ
タグの修正は不要な作業ではなく、土台として意味のある取り組みです。ただし、それだけで検索結果が変わることは多くありません。
依頼を検討する際は、成果の定義、作業範囲、本文の改善を誰が担うのかという三点を最初に確認しておくと、期待とのずれを防ぎやすくなります。そのうえで、事業の知識が必要な部分は自社で、形式面の整理や技術的な調整は外部で、といった役割分担を考えていくと、費用と成果のつながりが見えやすくなります。
