
ホームページを作るとき、多くの方が手を止めるのが原稿づくりです。デザインや写真は進んでも、「会社紹介の文章が書けない」「サービス説明が思いつかない」という理由で公開が延びてしまう例は少なくありません。
生成AIは、この原稿づくりの負担を軽くしてくれます。ただし、使い方を誤ると逆効果にもなります。この記事では、その考え方と注意点を整理します。
生成AIは「白紙を埋める」段階に向いています
原稿づくりで一番つらいのは、何もない状態から書き始めることです。生成AIに、伝えたい要素を箇条書きで渡すだけで、文章の形になったものが返ってきます。
たとえば「創業20年」「地元密着」「見積もり無料」の3点を渡せば、それらを盛り込んだ会社紹介文の候補が出てきます。ここから直していく方が、白紙から書くよりずっと早く進みます。
修正するための素材を用意してもらう。これが原稿づくりでの基本的な使い方です。
そのまま公開しない方がよい理由
一方で、生成された文章をそのまま載せることはおすすめできません。理由は3つあります。
1つめは、どこかで見た文章になりやすいことです。 生成AIは無難で整った文章を得意とします。その結果、どの会社にも当てはまる説明文になり、読み手の印象に残りません。
2つめは、事実と違う内容が混ざることです。 実績年数や対応地域、資格などを、それらしく補って書いてしまうことがあります。ホームページに載せた情報は会社の説明として扱われますので、事実確認は欠かせません。
3つめは、書き手の温度が伝わらないことです。 なぜこの仕事をしているのか、どんなお客様に来てほしいのか。こうした部分は、社内の言葉でしか書けません。
自社らしさを残すための工夫
「らしさ」を出すには、生成AIに渡す材料を増やすことが有効です。
- お客様から実際に言われた言葉をそのまま渡す
- 過去のお問い合わせで多かった質問を挙げる
- 社長や担当者が話した内容をメモにして渡す
- 既存の会社案内や名刺の文言を参考として渡す
材料が具体的であるほど、返ってくる文章も具体的になります。逆に「うちの会社を紹介する文章を書いて」とだけ伝えると、当たり障りのない文章しか出てきません。
また、話し言葉のメモを文章に整えてもらう使い方も有効です。中身は自社の言葉のまま、読みやすさだけを補ってもらえます。
ページの種類ごとの使い分け
ホームページの原稿といっても、ページによって向き不向きがあります。
サービス紹介や料金の説明は、比較的任せやすい部分です。事実を整理して伝える文章のため、材料さえ渡せば形になります。もちろん、金額や条件の確認は欠かせません。
よくある質問も向いています。実際に受けた質問を並べて渡せば、回答文のたたき台が一度に揃います。
一方で、代表挨拶や会社の理念は、生成AIに任せない方がよい部分です。ここは書き手の考えそのものであり、整った文章にするほど中身が薄く見えてしまいます。話した内容を録音して文字に起こし、読みやすく整える程度にとどめるのが良い形です。
お客様の声や実績紹介も、事実に基づく必要があるため、生成AIに内容を考えさせるべきではありません。
検索で見つけてもらうことと文章の関係
「生成AIで書いた文章は検索で不利になるのでは」と心配される方もいます。
検索エンジンが評価しているのは、作り方ではなく読み手の役に立つ内容かどうかです。人が書いても中身の薄い文章は評価されませんし、生成AIを下書きに使っても、自社の経験や具体的な情報が入っていれば問題ありません。
大切なのは、他のホームページにも書いてあることを並べるのではなく、自社だからこそ書ける内容を含めることです。実際の対応事例、お客様からよく聞かれること、地域ならではの事情。こうした情報は、生成AIには用意できません。
画像を扱うときに気をつけたいこと
生成AIは画像も作れますが、ホームページに使う際は慎重な判断が必要です。
実際の店舗や商品、スタッフの写真として、生成した画像を使うのは避けてください。実物と異なる印象を与えてしまいます。イメージ画像や図解など、実在するものを示さない用途にとどめるのが安全です。
また、生成した画像が既存のデザインや作品に似てしまう可能性もあります。ロゴなど長く使うものは、生成AIに頼らず制作するのが確実です。
公開前に確認したいこと
原稿を仕上げる前に、次の点を見直してください。
- 数字・地名・資格など、事実に関する記述が正しいか
- 自社にしか書けない内容が含まれているか
- 読み手が使う言葉になっているか(社内用語が残っていないか)
- 誇張した表現になっていないか
まとめ
生成AIは、ホームページの原稿づくりにおいて下書きを用意する道具として力を発揮します。素材を具体的に渡し、返ってきた文章を自社の言葉で整える。この流れを踏めば、公開までの時間を短くしながら、自社らしい内容を保てます。
